劇場版「ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵」

出展:AbemaTV

作品の概要

劇場版『ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵』は、大人気アニメ『ONE PIECE』の劇場版シリーズ第7作目として、2006年3月4日に公開されました。この時期の劇場版は、原作者である尾田栄一郎先生が後の作品ほど直接的に製作に関与しておらず、シリーズにとって一つの過渡期とも言える時期の作品です。

物語の舞台は、島全体が精巧なカラクリでできている「メカ島」。麦わらの一味がひょんなことから出会った老婆を故郷へ送り届ける代わりに、伝説の宝「金の冠」を譲り受ける約束をするところから冒険が始まります。「カラクリ」というテーマが前面に押し出されており、機械仕掛けの罠や巨大メカが次々と登場し、視覚的にも楽しい作品となっています。

本作は、前作『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』のシリアスな雰囲気とは対照的に、コメディ要素が強く、子供から大人まで楽しめる冒険活劇となっています。また、本作ではルフィのパワーアップ形態である「ギア2」が、テレビアニメシリーズに先駆けて(偶然ながら)初登場する点も注目ポイントです。

ストーリー

グランドラインを航海中の麦わらの一味は、嵐の中で沈みかけている海賊船から大きな宝箱を発見します。しかし、期待に胸を膨らませて開けた宝箱から出てきたのは、財宝ではなく黄金の総入れ歯をつけた怪しい老婆、ローバでした。

ローバは、自分を故郷の「メカ島」へ送り届けてくれれば、その島に伝わる伝説の宝「金の冠」を譲るとルフィたちに持ちかけます。新たな宝の匂いに釣られたルフィたちは、一路メカ島へと進路を取ります。

メカ島に到着すると、島の領主でありローバの息子であるドクター・ラチェットがローバを強引に連れ帰ってしまいます。「金の冠」の手がかりを失ったかに思えたルフィたちでしたが、島で耳にした不思議な「島唄」に宝の秘密が隠されていると信じ、宝探しを開始するのでした。

しかし、ラチェットは彼らに協力するふりをして、自らの野望のためにルフィたちを利用しようと企んでいました。果たして麦わらの一味は、カラクリだらけの島で「金の冠」を見つけ出し、ラチェットの陰謀を阻止することができるのでしょうか。

予告編

登場人物

本編のキャラクター

  • モンキー・D・ルフィ (声: 田中真弓)
  • ロロノア・ゾロ (声: 中井和哉)
  • ナミ (声: 岡村明美)
  • ウソップ (声: 山口勝平)
  • サンジ (声: 平田広明)
  • トニートニー・チョッパー (声: 伊倉一恵 ※本作では大谷育江さんの代役)
  • ニコ・ロビン (声: 山口由里子)

オリジナルキャラクター

  • ドクター・ラチェット (声: 稲垣吾郎 (SMAP)) メカ島の領主で、自称「天才発明家」。痩身でワイパー付きの眼鏡をかけており、神経質で理知的な性格です。世界征服の夢を抱いており、そのために様々なメカ兵器を開発します。母親であるローバを「お母ちゃま」と呼ぶ重度のマザコンの一面も。
  • ローバ (声: 京田尚子) ラチェットの母親で、黄金の総入れ歯が特徴的な老婆。ルフィたちに「金の冠」の伝説を語り、メカ島へ案内します。息子の研究には頭を悩ませています。
  • マジ将軍 (声: 加藤浩次 (極楽とんぼ)) ラチェットの部下。ヤクザのような風貌と言動が特徴です。カラクリバイクを操ります。
  • ホンキ大佐 (声: 山本圭壱 (極楽とんぼ)) ラチェットの部下。背中に「本気」と書かれた学ランを着用し、「~っす」が口癖です。戦闘時には上半身と腕が巨大化します。

制作スタッフ

  • 原作: 尾田栄一郎
  • 監督: 宇田鋼之介
  • 脚本: 伊藤正宏
  • 公開日: 2006年3月4日
  • 上映時間: 95分
  • 興行収入: 9億円
  • 音楽: 田中公平、岩崎文紀
  • 主題歌: NEWS「サヤエンドウ」
  • 製作会社: 東映アニメーション (配給: 東映)

主題歌: NEWS「サヤエンドウ」

評価

総じて、軽快な冒険コメディとして楽しめた層と、やや物足りなさを感じた層とで評価が分かれる傾向にあります。

映画レビューサイトなどでは、コメディ要素や宝探し、謎解きといった前半の展開や、敵キャラクターのラチェットの造形に対して好意的な意見が見られました。特に子供にとっては分かりやすく楽しめるという評価もあります。

一方で、物語の展開が単純であるという意見や、ゲスト声優の演技、チョッパーの声優変更に対する違和感、一部アニメーション表現への批判的な意見も見受けられました。

Filmarksではユーザーから「緩めの展開が強くて楽しい」「謎解き要素があって飽きさせない展開」といった好意的な反応も寄せられています。

レビュー・解説動画集

関連URL

まとめ

『ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵』は、メカ島というユニークな舞台設定と、カラクリ満載のアクション、そしてコミカルなストーリー展開が魅力の作品です。麦わらの一味のいつも通りの賑やかな冒険が楽しめ、特に前半の宝探しや謎解き要素はワクワクさせられます。

オリジナルキャラクターであるラチェットの個性的なキャラクターや、ゲスト声優の演技も話題となりました。また、ルフィの「ギア2」がアニメ本編に先駆けて登場するなど、ファンにとっては見逃せない要素も含まれています。

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